グラフィックデザイナーとデザイナーいう仕事

一見カッコ良さそうな職業名である「グラフィックデザイナー」しかしその実際はどうなのだろうか?
今から35年前に現場を経験してきたわたしの話である。

そもそもグラフィックデザイナーって何?

グラフィックデザイナーは商業印刷物のデザインを担当する職業(昔はね…)

ベテラン(経験&知識&スキル)を一定以上つけるとワンランク上のアートディレクターをやる場合もある。アートディレクターは「コピーライター・カメラマン・イラストレーター・スタイリスト・メイキャッパー・レイアウター・デザイナー・営業担当者」などを含んだ取りまとめ役の責任者「プロデューサー」みたいなものだ。

私は25歳の時にグラフィックデザイナーとして企業で働きだした。まあ、普通のサラリーマンの専門職みたいなものだが、当時はPCの無い時代で全てが手作業三角定規やカッターナイフや色見本帳などを片手に「サムネイル」と呼ばれる手書きのデザインから「版下」と呼ばれる印刷の元となる原本を作るのが仕事で非常に手間と時間の係る地味な作業であった。

31歳の時、突然PCが導入(当時はMACしか選択肢はなかった)
いきなり最初からデザインをアプリを使って作るという環境がやってきた(衝撃的ではあったが…)

当時、31歳という若さのおかげかどうかは定かではないが、いきなりMAC責任者に抜擢された。正直いい迷惑だった(笑)

当時はレギュラークライアントも多数持っていたし新規開拓も私の仕事だった上に使ったことも無いPCの責任者。(正直な気持ち勘弁してほしかった残業時間が増えた・・・

PC導入で大きく変わった環境

まず、起こったのはPCになれないデザイナーが沢山廃業に追い込まれた特にフリーの方)サラリーマンはそうでもなかったが会社自体潰れるところも多数あった。(PC化についてこれない会社は仕事が無くなってしまったのだ印刷会社が印刷物のデザインデータで要求するようになった為

次に起こったのが作業が増えたことだ。今までは「版下」まで作れば印刷用フィルムは「製版会社」が作っていたからだ。PCによるデータ化はこの「製版作業自体を無くすことにつながった。フィルムはデータから直接作られるようになり、今ではこのフィルムも無くなりレーザーで直接印刷用の板に焼き付けるようになった

デザイナー全ての工程を一人でこなすようになってしまったのだ。これは現在も同じ。
今ではWindowsでも同じアプリやfontが発売されているので私は今ではWindo ws派である。基本的にアプリの操作は同じでもPCの価格がWindowsのが安いし性能もいい。(一部、根強いMACファンもいますが)

今や専門の学校に置く必要もなく誰でもなれる職業

今やある程度の性能のPCアプリがあればだれでも出来るのがグラフィックデザイナーである。

昔と違ってその業務内容も大きく変わってきている。webなどの仕事もグラフィックデザイナーはこなしているし、実際webの知識も無いと仕事の幅も限られてくるだろうから覚えなければならない事は昔より増えていると思う。

幸いと言うか運悪くというか…私は30年前からPCで作業し始めたためブランクはあってもすぐに対応が出来る(こういうのを不幸中の幸いと言うんだろうなー)

PC導入当時は「Photoshop」と「illustrator」だけでデザインを作っていたが、今では様々なアプリを組み合わせて作成することになるし、得意なアプリも出来てくる。
アプリは1本使い方を覚えると他のアプリも基本的には使い方は同じcommand操作」である。

私はAdobeの製品に慣れているのでAdobeのアプリならほぼ使えると思う(多分)

AIによって仕事は減っていく

chatGPTの登場によって絵師の仕事は減っていくのでしょうか?
多分、無くなります(一部のエリート層を覗いて)今やアート分野においてAI進化はすさまじい速度で進化している…加速度的に…スマホが普及し始めてから今まで何年かかったろうか?
今では無くては生活できないし、持っていないと不安にさえなるようになってしまった。極端に言えばスマホさえあれば財布さえ要らないのだ…(10年前には考えられなかった

私が携帯電話を持ったのは33歳の時(サラリーマン時代だ)
もちろん買い取り形態は無くリースしかなかった(リース代は当時15,000円・通話料は別途
1ヶ月携帯電話の料金は30,000円を超えていた(今では考えられないが)

デザインの仕事も今はまだ、人が作ってはいるが、そのうちAIが作るようになるだろう。

逆に言えばAI上手く使いこなせるスキルを身に着けた方が将来的には仕事は無くならないということだ。これから10年先も働かなければならない人にはAIスキルを磨くことをお勧めする

グラフィックデザインとは

グラフィックデザインにも基礎がある。わたしは教え子が20人以上いるだろうか…今でもサラリーマンとしてやっている者もいればフリーランスになった人も沢山いる。

色の意味

そもそもデザインには理論的に説明出来る部分が多い
例えば「」…色遣いはデザインの根本だが人間によって本能的に反応する。例えば「」は清潔感と清涼感を印象付ける温もりや食欲をそそる。暖色系と呼ばれる部類に入るが、ここで気づいた人は頭がいい。そう食品関係の会社のロゴマークは暖色系がほとんどなのだ。逆に一般のお堅い会社は青系統のロゴマークが多い。偶然ではないのだ。そのように見えるから計算されて、そのそうなデザインが採用されるのである。

私は教え子によく言ったのが「遊び行っても、街を歩いてもそこにある人工物は全て人間が考えて出来ている。意味があってその形や色になっている」とだから「ボーっと歩いては成長は無い。すべてに意味があるからよく見て考えなさい」と今も昔もそうだと思うがいかに人間の本能をくすぐって興味を持たせるか?それがデザインの基本である。ここがアートとの違いだと思っている。

目線を誘導する

デザインでは人間の根本的な目の動きも計算されて作っている。人は知らぬうちに、そういう風に目が誘導されるように子供のころから教え込まれているのだ。

まず横書き
横書きの文章に現代人は慣らされているから目線左上から右下へと流される。多くの著作物はすべてこの法則に乗っ取って作られているのですが知らぬ間にそうなるよう日本人は訓練されている。

チラシを見れば一番わかりやすいが目玉記事は必ず一番左上にある。右下へ行くほど高級品へと移っていく。

縦書き
これは本に多い。右上から左下へと誘導させる。これは日本語の縦書きがそうであるからである。
漫画本なんかも右開きがほとんどなのは、この名残だ右上アイキャッチが必ず来て左下次の頁をめくりたくなるようにデザインされている

大雑把に説明したが実際にはもっと細かい導線まで計算されて作られている。あえてそこまで詳しくはここでは説明しないがデザイン科学ということが言える。

アイキャッチ

どんな作品でも必ずアイキャッチは作る。まずは見てもらわないと駄目だからではあるがアイキャッチがあると無いでは大違いだ。下記のポスターデザイン(実際はもっと複雑だった)見本は私が若いころ作ったものの再現で今では古臭いが空間と文字だけでアイキャッチを構成している。

色も黒はマッドブラックのインクを使い光らないようにし、黄色(蛍光色)を使い、白い部分は白抜きで紙の地肌の色を使っている。
これに下からスポットライトをあてると人物のように見えるようにデザインしてある。

今流行のネット印刷は何故安いのか

別に安くはないのが本当

実際は通常の印刷と料金は変わらないのだがそこには安くするための裏技を使っている。
帳合テクニックだ。

基本的に印刷物は1枚印刷しても3,000枚印刷しても価格は同じだ。3,000枚以上から単価は安くなっていって、一番安い単価は300,000枚印刷した時だ。それを超えると単価は上がっていく。
難しい話ではあるが、そもそも単価1頁あたりいくら係るかということ。1枚印刷する料金と3,000枚印刷する料金は同じなのだ。3,000枚印刷するのに(計算しやすいように)30,000円だったとしよう。1頁だけ印刷だと単価30,000円✕1枚、3,000枚印刷だと単価10円✕3,000枚ということになる。

これは主にオフセット印刷の考え方なので活版印刷などとは違ってくる。
通常オフセット印刷は輪転機で印刷されるがその版が印刷の限界が30万枚なのだ。当然紙代は別にかかってくるので枚数が増えたり使う紙質によっても単価は変わってくる。しかし、印刷単価は1枚あたりは30万枚が一番安くなるのだ(同じ版を使うため)

CMでよく安いと放送されるわけ

条件をいくつか合わせて同時に印刷してるからが本当。印刷依頼者を募り同じ枚数の印刷物を帳合して同時印刷することで印刷枚数(印刷通し)を合わせて単価を落としているからである。

基本1万枚印刷するとして印刷機はB2サイズで印刷するのでB4サイズの印刷物だと通しは2,500だ。だが、B4サイズ1万枚を4つ合併させれば通しは10,000になる。単価1/4になる。

これがCMでよくやってるプリント〇ットなどが安く印刷出来る理由だが、元本になるデザインは別に作る必要がある。極端に言えばデザイン料金印刷枚数とは関係な1デザインいくらという風に経費を上乗せされたうえで決められているから1枚だろうが100万枚だろうが関係ないのである。

クライアントの満足とエンドユーザーの満足度

デザインは自分の好みのものは基本作らない。クライアントの好みのものを作るのが基本でクライアントが気に入らないと採用されない

しかし、ここで問題が出てくるクライアントの好みがエンドユーザー(顧客)の求めるものとは限らないからだ。顧客が来ないと商品は売れない…結果、そのクライアントから次の仕事は来なくなる

ベストはクライアントの意向に添った形で結果を出すこと。当然、そこでクライアントと意見が対立することもある。デザイナーは結果が全てだ。確かにクライアントの好みに合わせないと採用されないからそれで結果をださなければいけないと言うことになる

これからデザイナーを目指す方へ

デザインには沢山の種類や業種(専門分野)がある。
貴方の目指すデザインはどんな分野だろうがPCスキルは欠かせない。全て納入形式はPDFファイル形式が主流なるだろう(2023/07/20現在)

使うアプリは分野によって違ってくるが基本操作同じだと言うことを忘れないでほしい。どこで、その仕事が他分野とリンクするかはあなたの仕事しだいだからだ。

どんなところでどんな人と仕事に巣つことになるか未来はあなたの生き方で変わってくる。

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